世界一素敵な僕たち 私たちへ

ピース・クリエイトでは2009年に、「あした天気になる?~発達障がいのある人たちの生活記録~」を製作しました。この映画は、福岡県鞍手町にある知的障害者入所施設を舞台に、「精神発達」に重い「おくれ」のある青年たちの喜怒哀楽に満ちた日常を描いたドキュメンタリー映画です。

その映像取材を通しての約1年にわたる彼らとの出会いの中で、発達障害(広義の)をもって生きることの困難さや不自由さをつぶさに知ることができました。と同時に、どんなに障害が重くても、その個々人の心を尊重し、深い信頼関係にもとづいた適切な人間関係(支援体制)が育まれれば、誰もが主体的な人間として持てる能力を発揮して、自律的な成長を遂げることが可能であるということも分かりました。

この「あした天気になる?」の主人公達は20代から30代の青年たちが中心で、舞台も施設という、ある意味では特定の環境の中での生活でしたが、今回は、「発達」という観点に重きを置き、地域に舞台を移して、まさに発達途上にある学齢期の子どもたちを主人公に、その子たちの「第3の場」である放課後施設・こぴあクラブの実践の中に、育まれていく発達の姿を見ていきたいと思います。

なぜ、こぴあクラブなのかといいますと、まず、一人の人間としての尊厳(発達保障)をベースにした活動理念の下に日々の実践がなされていること。「親も子も、そして職員も共に生きる」という考え方に共感するものが多々あること。そして、何よりも、こぴあクラブの子どもたちの表情の素晴らしいこと!

実際の活動を拝見させていただく中で、こぴあクラブがめざしているものの一端にふれた思いとともに、発達障害のある人たちが本当にいきいき、のびのびと、それぞれが主人公としての人生を歩むために必要な支援のあり方について考える手がかりが得られるのではないかとの確証を得ることができたことです。そしてその実践の姿を映像を通して多くの人に知っていただきたいと思っています。

日常の活動の様子を丹念に捉える中で見えてくる子どもたちから自分自身を振り返る

取材をスタートさせたのは平成22年8月。それから今日まで約2年間、50日近い日数を子どもたちと接してきました。

取材開始当時は、体も小さくあどけなさに溢れた子が、職員やお母さんより背が高くなり、見るからにたくましい少年少女になり、子どもの成長のめざましさにまずはびっくり。一人ひとりの性格も、障害からくる困難さもだんだん理解できるようになり、職員の子どもたちに寄せる思いや、大変さ、支援の中に見える喜びにも共感できるようになりました。また、親御さんたちとも親しく話せるようになる中で、子育てへの苦労や葛藤とともに、子どもたちが健やかに育っていくための社会への働きかけの重要性を再認識させられました。
そんな日々の中から見えてきたものは、たとえ目に見えてできることは増えていなくても、子どもたちの心は確実に発達しているということです。

自己肯定感や自発心が育まれ、だんだんに自らの思いを表せる子どもたちへと成長していきます。 そこには、職員と子どもたちとの信頼関係の中で築かれる安心できる空間と、愛着関係の深さがあります。人間同士の深い関係の中で響きあい、育ちあっていく…そのプロセスをしっかりと表現したいと思います。

当初は、日常の場にカメラが入ることへの緊張や戸惑いも見られましたが、取材の日数を重ねるにつれ、子どもたちだけではなく、親御さんや職員たちとの距離が縮まり、忌憚なくそれぞれの思いや願望なども語り合えるようになり、映画の完成に向けた気持ちもひとつになっていきました。

この作品の主人公は子どもたちで、そのテーマは「発達」ですが、私たちもまた、子どもたちの豊かな感性に、自分自身の心の中を振り返る貴重な機会になったものと思います。
取材に協力してくださいましたこぴあクラブの皆さん、本当にありがとうございました。

【取材協力】

特定非営利活動法人
こどもの地域生活サポーターこぴあ
こぴあクラブ

【監修】

龍谷大学社会学部教授 白石正久氏

【製作会社】

ピース・クリエイト有限会社
〒135-0051東京都江東区枝川3-9-10-319
TEL:03-3699-4883
FAX:03-3699-4407
ホームページ:http://www.peace-create.bz-office.net

【スタッフ】

プロデューサー・監督:宮崎信恵
撮 影:上村四四六
技 術:玉手久也・佐竹樹朗
編 集:大高勲
音 楽:十河陽一
デスク:宮崎千鶴
宣 伝:宮崎信人

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