《VHS 30分》
定価 21,000円
監修:京都女子大学家政学部
     教 授  井上 千津子
     助教授 田中 由紀子
     助教授 山田 健司
文部科学省選定
第43回日本産業映画
ビデオ賞

      

交通事故や転落事故、またはスポーツ障害などで頚の骨を折り、全身の運動機能動作等に障害を受ける頸髄損傷。
頸髄損傷は脊椎の中を通る神経の束ともいえる脊髄の頚の部分に損傷を受けることで、その後遺症として現れる障害で、そのどの部分が損傷されたかによって現れる障害の度合いは変わる。

 古小寺浩典さんは、中学3年の時に器械体操のクラブ活動で誤って頭から落下し、第4・第5頸髄レベルを損傷し、わずかに動く左手の一部を残して全身麻痺となりました。
今、彼は故郷を離れ、東京でホームヘルパーの支援を受けながら独居の自立生活を送っています。

 やはり、トランポリンによるスポーツ事故で頸髄の4番を損傷し全身に運動機能障害が残った内山幸久さんも、独居で自立生活を送っている一人。

 頸髄損傷は全身の運動機能に障害が現れるだけではなく、熱い、冷たい、痛いなどという感覚が鈍くなる知覚麻痺も現れるのが特徴。
また、尿意、便意などの排泄にも障害が現れる。また、他の全身障害者に比べ褥そうができやすく、その予防には特に注意が必要である。
さらに、長時間ベッドに横になっていて急に移乗のために体を起こしたりする場合、『起立性低血圧』からくる貧血をおこす場合が少なくない。

 頸髄損傷編では、こうした障害の特性を踏まえた上で、入浴時の際の介護のポイントをはじめ、整容、食事、排泄、体位交換、褥そうの予防、外出時における留意点など、日常生活の基本における介護の方法やポイントについてみていく。

 また、移乗の際のリフターの安全な使い方や、呼気スイッチを動かすことでベッドの昇降をはじめ、電話や家電、ドアの開閉などを自動的に作動させる環境制御装置を取り入れることで自立した生活を送っている二人から、障害受容や、社会参加の大切さを伺う。